カレンダーをめくってみれば
~今日は何の日?~

3月12日 咲顔(えがお)の日

 3月12日は咲顔(えがお)の日。咲顔と書いて「えがお」。これは民俗学者の柳田國男(やなぎだ くにお)が「笑む」を「咲む」と書いたことにはじまる。誰もが心からほころぶような咲顔の人になることを願い、株式会社喜田寛総合研究所代表の喜田寛氏が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、喜田寛氏の誕生日(1945年3月12日)から、3月12日とした。

◆◆◆

 笑顔は、言葉を超えた普遍的なコミュニケーションの形であり、世界中で最も瞬時に心を通わせる手段の一つです。その一瞬に、喜びや幸福、感謝や友情など、多くのポジティブな感情が込められています。笑顔一つで人の心を明るくし、時には難しい状況さえも乗り越える力を与えてくれます。子供の無邪気な笑いから、年を重ねた人々の温かな笑顔に至るまで、その表情は見る人の心に深い印象を残します。

 科学的にも、笑顔は私たちの脳に好影響を与えることが証明されています。笑うことによってエンドルフィンと呼ばれる幸せホルモンが分泌され、ストレスを減少させると同時に、免疫機能を高める効果があります。また、笑顔は他者との間にポジティブな社会的な絆を築き、協力や共感を促進する役割を果たします。私たちが笑顔を交わすとき、それは信頼と好意のシグナルを送り、関係性を深めるきっかけになるのです。

 しかし、笑顔の背後には、常に幸せがあるわけではありません。時には悲しみや不安を隠すためのマスクとして、または社会的な礼儀としての笑顔も存在します。それでも、強制された笑顔であっても、ポジティブな反応を引き出し、気持ちを軽くすることができるのです。笑顔はまた、芸術や文化の中で重要なテーマとなっており、絵画や写真、映画など多くの作品で表現され、人々の感情に訴えかけています。

 私たちの日常生活において、笑顔はコミュニケーションを円滑にし、温かな人間関係を築くための大切な要素です。家族や友人、さらには見知らぬ人との間でも、笑顔は心を開くきっかけとなり、心地良い交流を生み出します。日々の暮らしの中で意識して笑顔を増やすことは、自分自身だけでなく、周囲の人々にも良い影響を与えることでしょう。

柳田國男

 柳田國男は明治生まれの日本民俗学者。代表作には「遠野物語」などがある。

 「日本人とは何か」その答えを求め、日本列島各地や当時の日本領の外地を調査旅行し、初期は山の生活に着目し、『遠野物語』で「願わくは之を語りて平地人を戦慄せしめよ」と述べた。日本民俗学の開拓者で、多数の著作は今日まで重版され続けている。