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~今日は何の日?~

8月9日 薬膳の日

 8月9日は薬膳の日。薬膳に対しての正しい理解と幅広い世代への普及、薬膳を通して多くの人々の健康に貢献することを目的として、漢方や薬膳の飲食店「ORIENTAL Recipe Cafe」や料理教室、薬膳を取り入れたメニューの開発など、薬膳に関する事業を手がける株式会社grinが制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(8)(9)ぜん」の語呂合わせから、8月9日とした。

薬膳とは

薬膳の日

 中国の伝統医学に基づいて作られた体調を整える為の健康料理のこと。

 ちなみに、薬膳の「膳」には料理という意味が含まれているため、「薬膳料理」という呼び方は間違い。

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 薬膳は、中医学の理論に基づいた飲食療法であり、体内のバランスを整えることを目的としています。古来から中国において発展してきたこの療法は、食材が持つ医療効果を活かし、身体の不調を整えることに重点を置いています。薬膳の基本にあるのは、「陰陽」と「五行」の二つの概念です。これらは自然界の原理を体内の健康に当てはめたもので、身体の状態を理解し調和を目指す際の指針となります。

 「陰陽」の理論では、すべてのものは陰と陽の要素を持ち、これらがバランスを保つことで健康が維持されると考えられています。たとえば、体が冷えている(陰の状態が強い)時には、体を温める(陽の要素を増やす)食材を取り入れることで、バランスを取り戻すことが目指されます。

 一方、「五行」の理論は、自然界と人体を「木・火・土・金・水」の五つの要素で捉え、これらの関係性を通じて健康状態を調整する方法を提案します。五行は五臓と密接に関連しており、それぞれの臓器が健康であるためには、対応する五行の要素がバランス良く機能している必要があります。

 薬膳料理では、これらの理論に基づいて食材を選び、調理法にも工夫を凝らします。例えば、季節に応じて体に必要な要素を補う食材を選んだり、特定の不調を改善するために特定の食材を組み合わせたりします。また、食材の味(五味)も五行と関連しており、それぞれの味が体に及ぼす影響を考慮して料理が作られます。

 現代においても、薬膳はその予防医学的な側面から注目されています。食生活の乱れが引き起こす様々な疾患に対して、自然の恵みを活かした薬膳料理は、体質改善や病気予防の一助として役立つことが期待されています。薬膳を取り入れることで、日々の食事から健康を支え、豊かな生活を送る手助けをすることができるのです。