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~今日は何の日?~

9月4日 心を注ぐ急須の日

 9月4日は心を注ぐ急須の日。急須のある生活を進めることで人々の心にも愛情という潤いを注ぎ、家族のなごみの時間を増やしてもらおうと、京都市伏見区の宇治茶の製造卸直販店「京都ほっこり庵七之進」の畠山友晴氏が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、急須(94)」の語呂合わせから、9月4日とした。

 「お茶の入れ方セミナー」などを通じて急須でお茶を飲む文化の普及と、人と人との温かいコミュニケーションの拡大を目指している。

急須の豆知識

心を注ぐ急須の日

 急須の注ぎ口に付いているビニールの覆いは「保護チューブ」といい、輸送時の破損を防ぐためのものなので、使用する時はは取り外す必要がある。また、チューブを付けたままだとそこに汚れが溜まり雑菌が繁殖しやすくなる。

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 急須は、お茶を淹れるために用いられる道具で、その起源は中国の宋時代にまで遡ります。当初はお酒を温める用途で使われていたとされ、これが急須(キフス)の名の由来と言われています。日本においては、江戸時代に「きびしょ」と呼ばれる横手の急須が使われるようになり、特に福岡県や長崎県、埼玉県の一部では今でもこの呼称が残っています。

 日本での急須の使用は、不衛生だった井戸水を沸かして安全な飲料水とする、薬草を煎じる、粥を炊くなど多岐に渡ります。江戸時代の初期まではお茶を煮出して飲むのが一般的でしたが、江戸時代中期には精製された茶葉を使った煎茶が発明され、これが急速に普及します。煎茶の調理法はお湯を注ぐだけという手軽さが受け、香り高いお茶を楽しむことができるため、広く浸透しました。

 この変化により、急須はお茶専用の道具として再定義されました。急須のデザインや材質も多様化し、現在では陶器、磁器、鉄、ガラスなど様々な素材で作られています。各素材によって保温性や使い勝手が異なり、用途に応じて選ぶことができます。例えば、陶器製の急須は保温性が高く、磁器製のものは清涼感があるため、見た目も美しく機能性に富んでいます。

 現代では、急須を使用したお茶の淹れ方は日本の文化として世界にも広まっており、日本国内外で多くのお茶愛好家に愛用されています。急須一つを取ってもその形状、サイズ、素材は多岐にわたり、お茶の味わいを左右する重要なファクターとされています。そのため、急須を選ぶことはお茶を楽しむ上で非常に大切な要素となっています。