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8月21日 おいしいバターの日

おいしいバターの日
引用元:glico

 8月21日はおいしいバターの日。日本で一番バターの取り扱い種類が多い小売店として、おいしいバターをより多くの人に使ってもらおうと、菓子作りの材料や資材を扱う株式会社富澤商店が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、1877年(明治10年)8月21日に東京・上野公園で開かれた第1回内国勧業博覧会が開幕、その際にバターを作るための「犬力機」などが出品され、バターの存在を多くの人が知るきっかけとなったことにちなんで、8月21日とした。

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 バターは、生乳やクリームを原料として製造される食用油脂の一種で、その製法と歴史には長い伝統があります。基本的には、クリームから脂肪球を攪拌し、乳脂肪を固めて水分やその他の成分を分離させることで作られます。この過程で得られる脂肪粒を集め、練り上げることによりバターが完成します。

 バターの起源は古代にまで遡り、紀元前2000年頃のインドの経典や旧約聖書にその記述が見られます。特にギリシャの歴史家ヘロドトスは紀元前500年ごろに、バター製造の具体的な方法を記しています。これによると、牛乳を木桶に入れ、激しく振動させて表面に浮かび上がった脂肪部分をすくい取るというものでした。日本には仏教と共にバターが伝わり、乳製品としての利用が始まりましたが、本格的にバター製造が始まったのは明治時代です。

 バターはその製法によって「発酵バター」と「非発酵バター」に大別されます。発酵バターは乳酸菌でクリームを発酵させた後に製造され、特有の風味があります。これに対し、非発酵バターは発酵させずに製造されるため、風味が穏やかです。また、添加される食塩の有無によって、「有塩バター」と「無塩バター」に分類され、有塩バターは風味が増し保存性が高まるのに対し、無塩バターは主に製菓や調理用として用いられます。

 バターはその濃厚な味わいとともに、栄養面でも非常に優れています。主成分の乳脂肪に加えて、ビタミンA、E、Dを豊富に含んでおり、これらの脂溶性ビタミンは健康維持に寄与します。特にビタミンAは、視力の維持や免疫機能の強化に効果的です。また、バターは消化性が良く、その他の多くの油脂に比べて体内での分解・吸収が効率的です。

 近年では、バターの新しい利用法も広がっており、カロリーを抑えた低脂肪バターや、特定のフレーバーを加えたフレーバーバターなど、多様な製品が市場に登場しています。これにより、バターは日々の食生活においてさらに重要な位置を占めるようになっています。

 バターはその豊かな味わいと栄養価の高さから、世界中で愛され続けている乳製品です。料理や菓子作りにおいて欠かせない素材であり、その多用途性と美味しさで、これからも多くの食卓に彩りを加えることでしょう。