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2月12日 オートファジーの日

 2月12日はオートファジーの日。オートファジーの理解と標準化指標の必要性を関係者に啓発し、一般の人々にも正しい知識の普及と啓発活動を行うために、オートファジー研究の事業化を促進している一般社団法人日本オートファジーコンソーシアムが制定し、日本記念日が認定した。

 日付は、1963年2月12日にロンドンで開催された公式の場で、初めてオートファジーという用語がベルギーの生化学者クリスチャン・ド・デューブにより使われたことから、2月12日とした。

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 オートファジーは、細胞が自らの構成成分を分解・再利用するプロセスを指します。この言葉は、ギリシャ語の「auto-」(自分自身)と「phagy」(食べること)から派生しており、文字通り「自己消化」の意味として1963年にクリスチャン・ド・デューブによって名付けられました。このプロセスは、細胞の健康と機能の維持に欠かせないものであり、真核生物からヒトまで広く存在しています。

 オートファジーのメカニズムは、細胞内の不要または損傷したタンパク質や細胞小器官を「回収業者」とも言えるオートファゴソームによって取り囲み、その後「再生工場」であるリソソームに運び、分解とリサイクルを行うというものです。この仕組みにより、細胞は老化やストレス、栄養不足などさまざまな状態に適応し、生存を維持します。

 特に近年の研究では、オートファジーが健康寿命の延長や老化の抑制、さらには生活習慣病の予防や治療に関与することが明らかになってきています。例えば、オートファジーが不十分になると、細胞内のタンパク質が蓄積し、これが様々な疾患の原因となることが知られています。逆に、オートファジーの活性化により、これらの疾患のリスクを低減させることができると考えられています。

 健康的な食生活や適度な運動、ストレスの軽減など、オートファジーを活性化させるための方法は多岐にわたります。このような生活習慣の見直しを通じて、私たちは自身の健康を長期的に維持・向上させることができるのではないかと感じています。