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~今日は何の日?~

6月19日 朗読の日

 6月19日は朗読の日。男女年齢を問わず、大衆に支持される芸術文化として朗読を普及させようと、NPO日本朗読文化協会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(6)(19)」の語呂合わせから、6月19日とした。

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 朗読は、単に文字を声に出して読む以上の、深い芸術性と教育的価値を持つ行為です。文章を声に出して読むことで、文字に込められた感情や情景をより豊かに再現し、聞き手に伝えることができます。文学作品をはじめとした様々な文章が、朗読によって新たな命を吹き込まれ、聞き手の心に深く響くのです。

 歴史を振り返ると、文学作品の享受は古来より朗読によるものが中心であり、識字率が低かった時代には特に、読み聞かせが知識や物語の伝達手段として重要な役割を果たしてきました。また、教養ある家庭では家族や友人が集う中での朗読が、一つの娯楽や文化的活動として行われてきたのです。

 朗読は、読む側にとっても聞く側にとっても、感情を豊かにし、想像力を刺激します。声に出して読むことで、文章に込められたリズムや響きが明確になり、詩や物語が持つ魅力をより深く感じることができるのです。また、朗読する側は、声のトーンや速度、強弱を工夫することで、文章の持つ意味をより効果的に伝えることが求められます。

 現代では、朗読は教育の場においても重視されています。読書の楽しさを伝える手段として、また、言葉の正しい発音や表現力を養う方法として朗読が取り入れられています。さらに、朗読は脳を活性化させるとも言われており、想像力や集中力の向上にも寄与すると考えられています。

 このように、朗読は単なる読み上げる行為を超えた、深い意味を持つ文化的な活動です。言葉を通じて人々の心を豊かにし、感情を共有することで、互いの理解を深めることができるのです。朗読を通じて、文学の世界をより身近に感じ、言葉の力を再発見してみてはいかがでしょうか。