1月16日 禁酒の日
1月16日は禁酒の日。1920年1月16日にアメリカで禁酒法が施行されたことが由来の記念日。
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禁酒法とは、1920年から1933年までのアメリカ合衆国における、アルコールの製造、販売、輸送を全面的に禁止した法律のことを指します。禁酒運動の圧力の下、1917年に憲法修正第18条が可決され、1919年に批准が完了し、翌年から施行されました。
しかし、この禁酒法の施行は、意図しない様々な問題を引き起こしました。違法な酒の流通や無許可での製造販売が激増し、都市部では特に30,000~50,000軒もの違法な酒場(スピークイージー)が出現しました。これらの結果、ギャングやマフィアが強大化し、社会の秩序は乱れました。また、本来アルコールに課されていた税金が無くなることで、連邦政府の財源にも影響を及ぼしました。
このような問題から、禁酒法は1933年に廃止され、マフィアやギャングによるアルコールの闇市は多くの州で消滅しました。しかし、アルコール産業には大きな影響を及ぼし、禁酒法が廃止された後も、多くの醸造所や蒸留所は再開できず、石油産業がアメリカのエネルギー事情を完全に掌握する一因となりました。また、ワイン産業も壊滅し、多くの知識が失われました。
これらのことから、禁酒法の施行はアメリカ社会に多大な影響を及ぼしたと言えます。法律がもたらす結果は必ずしも法律制定の目的通りにはいかず、時には予期せぬ結果を生むことがある、という歴史的な教訓を私たちは禁酒法から学び取ることができます。