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~今日は何の日?~

5月16日 旅の日

 5月16日は旅の日。江戸時代の俳人・松尾芭蕉が「奥の細道」の旅に出発した日であることから、1988年に日本旅のペンクラブが制定した。

 日付は、旅に出た日が1689年(元禄2年)3月27日で、これを新暦に置き換えると5月16日になることから、5月16日とした。

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 旅に出るということは、日常を一時的に離れ、未知との出会いを求める冒険です。その魅力は、新しい風景、文化、人々との出会いにあり、それらが私たちの心に新鮮な感動をもたらしてくれます。そして、日本には「奥の細道」という、旅の醍醐味を存分に味わえる、文学的な旅路があります。

 「奥の細道」は、俳聖松尾芭蕉が踏みしめた道。彼は旅を通じて日本の自然美や人々の暮らしを詠み、その足跡は後世に多大な影響を与えました。この旅路をたどることは、単に美しい景色を眺めること以上の意味を持ちます。それは、芭蕉の眼差しを借りて、日本の四季の移り変わりや、地域ごとの文化を肌で感じることができるからです。

 旅の良さは、予期せぬ発見にあります。地図には載っていない小さな神社、古びた茶屋で出会った温かな笑顔、偶然耳にした地元の祭りの音。これらは、計画された旅程では得られない、旅の隠れた宝物です。奥の細道を旅することで、私たちはこれら一期一会の出会いを体験することができます。

 また、旅は自己発見の旅でもあります。旅をすることで、私たちは自分自身の新たな一面に気づくことがあります。未知の地での経験は、自分の価値観や考え方を見直す機会を与えてくれるのです。奥の細道を辿りながら、芭蕉が感じたであろう自然への畏敬や、人生に対する思索を、私たちも共有することができるのではないでしょうか。

 奥の細道を旅することは、文学と自然、そして自己を深く探究する旅です。この道を通じて、私たちは日本の豊かな自然と文化の美しさを再発見し、心の奥深くに新たな感動を刻むことができるでしょう。旅の良さは、そこにしかない景色を見ること、そしてそれを通じて自分自身を見つめ直すことにあります。奥の細道を旅することで、日常では感じることのできない豊かな時間を過ごすことができるのです。