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~今日は何の日?~

8月7日 自分史の日

 8月7日は自分史の日。自分史をテーマとした講座、セミナーなどを行い、自分史の普及に努めることを目的に、自分史を活用して自分らしく生きることを提唱している一般社団法人自分史活用推進協議会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、8月は終戦記念日、広島と長崎の原爆忌など、日本にとって時代を超えて記憶を語り継いでいかなくてはならない日があり、お盆は自分のルーツを思い、祖先に語りかける時季。そして、8(は)と7(な)でかけがえのない人生体験を自分史という形で「話し」伝えていくことの大切さを思う日とすることから、8月7日とした。

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 自分史とは、個人が歩んできた人生の軌跡や歴史を綴った記録のことです。1975年に色川大吉さんによって提唱されたこの概念は、「庶民こそ自分の歴史を語るべきである」という思想に基づいています。それぞれの人生には独自のストーリーがあり、その集積が大きな歴史を形作っているという視点から、一人一人が自己の歩みを振り返り記録することの重要性が説かれました。

 今、自分史を作成する動きが高まっている背景には、社会や個人が大きな転換期を迎えていることがあります。過去を振り返り、そこから学ぶことで、未来に向けた指針を見出そうという意欲が多くの人々の間で生まれています。自分の過去と時代を照らし合わせることで、新たな自己理解や生き方のヒントを見つけ出すことができるのです。

 自分史をつくることは、自己を深く知り、人生の証を残し、生きがいを見出し、コミュニケーションの質を高めるなど、多くのメリットをもたらします。過去の体験や出来事を振り返りながら、点と点をつなげる作業は、未来を見据える上での大切なプロセスとなり得ます。また、作成過程自体が楽しみであり、脳の活性化や創造性の向上にも寄与するでしょう。

 個々人の歴史は、その人だけの貴重な宝物であり、家族や友人、後世に伝えるための大切な資料となります。自分史を通じて、自分だけの人生を振り返り、自己理解を深め、自尊心を高めることで、より豊かな人生を送るための一歩を踏み出すことができます。「自分良し、相手良し、社会良し」の理想を実現するためにも、自分史をつくることは有意義な試みであると言えるでしょう。