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5月10日 コットンの日

 5月10日はコットンの日。コットンの魅力をより多くの人に知ってもらうために、日本紡績協会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、5月に店頭販売の最盛期を迎えることと、(5)(10)ン」の語呂合わせから、5月10日とした。

コットンの豆知識

コットンの日
引用元:日本綿業振興会

 コットンとは、ワタという植物から採れる繊維の事で、「木綿」または「綿」とも呼ばれる。繊維としては伸びにくく丈夫であり、吸湿性があって肌触りもよい。このため、現代では下着などによく使われるが、縮みやすいという欠点もある。

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 コットン、またの名を綿、は人類が古代から利用してきた天然繊維であり、その起源は数千年前にまでさかのぼります。日本におけるコットンの歴史は、799年(延暦18年)に遡り、三河国(現在の愛知県東部)に漂着した崑崙人によって綿の栽培が始まりましたが、その後しばらくは明や朝鮮からの輸入に頼っていました。戦国時代後期には綿布の使用が全国的に普及し始め、江戸時代に入ると綿花の栽培が急速に広がり、日本の綿花産業は大きく成長しました。明治時代以降、政策による生産強化や技術革新により、一時期は綿布の輸出量が世界一になるほどの発展を遂げましたが、安価な輸入綿布の流入により、国内の綿花栽培は徐々に衰退していきました。

 コットン生地の特徴としては、その万能性が挙げられます。コットンは四季を問わずに使用することができ、冬は保温性に優れており、夏はその通気性と吸水性で涼しく快適な着心地を提供します。コットンの中心が空洞になっている構造は、汗を吸収し放出する際に気化熱が発生し、これが涼しさをもたらす理由です。また、コットンは耐久性が高く、日常的な洗濯にも強い特性を持っています。これらの特性により、コットンは下着や夏服、さらには寝具など、幅広い用途で愛用されています。

 しかしながら、コットン生地にはいくつかのデメリットも存在します。最も顕著なのは、洗濯時の縮みやシワの発生です。コットンは水を吸収すると膨張し、乾燥する際に収縮する性質があり、これが縮みやシワの主な原因となります。さらに、コットンは乾燥に時間がかかるという特徴もあり、湿気の多い日本の夏には特に注意が必要です。また、洗濯による色落ちや変色もコットン生地のデメリットとして挙げられます。これらの問題に対処するためには、適切な洗濯方法や保管方法を実践することが重要です。

 コットンの利点と欠点を総合的に考慮すると、その柔らかな肌触りや快適な着心地、さらには環境への優しさから、今日でも多くの人々に愛され続けています。

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