5月10日 地質の日
5月10日は地質の日。地層、岩石、土壌などで構成される大地の性質である「地質」について、多くの人に理解を深めてもらうために、一般社団法人日本地質学会が制定し、日本記念日協会が認定した。
日付は、1876年(明治9年)5月10日に、ライマンらによって日本で初めて広域的な地質図、200万分の1「日本蝦夷地質要略之図」が作成されたことから、5月10日とした。
またこの日は、1878年(明治11年)に地質の調査を行う組織「内務省地理局地質課」が定められた日でもある。
地質のこと
地質とは、地中にある岩石などの性質や状態、種類などのような特徴のことを言い、それらを研究する学問を地質学と言う。
地質学とは、鉱物や岩石などの研究を通じて、地球の構成物質の性質と分布やそれらのでき方を明らかにし、地球と生物の歴史、地球を舞台とする物理・化学・生物現象の解明を目的とする学問である。分かりやすい成果としては、地下資源の探査や、建物を建てるときの地盤の安定性の調査などがある。
日本の地質について
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日本列島は、世界的に類を見ない複雑な地殻構造上に位置し、北米プレート、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの4つのプレートが衝突し合う地点にあります。この地点は、地球上で最も活発なサブダクションゾーンの一つであり、強い圧縮力によって日本列島が形成されています。この地質的特性は、日本を地震や火山活動が多発する自然災害多発地域にしており、特に房総沖と伊豆半島付近に位置するトリプルジャンクションは、日本列島の複雑さを象徴しています。
日本の地形は、山地と丘陵が国土の約73%を占め、限られた平野部に人口が集中しています。この地形と地質の特徴は、自然災害に対する脆弱性を高め、山地や平野部での土木工事に困難をもたらしています。特に山地では、地すべりや崩壊が頻繁に発生し、平野部では地盤沈下や液状化現象が問題となっています。
さらに、日本は地震や火山の活動による災害に加え、斜面災害や地すべり、地下水に起因する災害など、多岐にわたる自然災害のリスクに直面しています。これらの災害は、日本の地質的、地形的特性に由来するものであり、国土利用の計画や災害対策において、これらの要因を考慮することが重要です。