カレンダーをめくってみれば
~今日は何の日?~

5月10日 五十音図・あいうえおの日

 5月10日は五十音図・あいうえおの日。これらの活動を広く知ってもらい、大切にしたい「ことば」に思いを馳せる機会にしてほしいとの願いから、石川県加賀市山代温泉に事務局を置く山城温泉観光協会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、五十音から、5月10日とした。

 「薬王院温泉寺」の中興の祖である明覚上人が平安時代後期の1093年に山代温泉にて「反音作法」を著し、言葉の音による五十音の研究について記述した。このときの配列が現在の五十音図に近いものであることから、山代温泉では五十音図の発祥の地として「今年のにほんご」の募集など、「にほんご」や「あいうえお」などに関わる文化的な取り組みを行っている。

◆◆◆

 五十音図は、平安時代中頃に成立した日本独自の文字体系であり、日本語の音響を体系的に整理したものです。この図は、日本人が古代インド語から学んだ悉曇(しったん)の影響を受け、日本語の音節を子音と母音に分けて考察することを可能にしました。悉曇学の知識は、日本語をより深く理解し、表記するために役立ちました。また、漢字の音を学習するための道具としても活用され、漢字の正しい発音を身につけるための工夫の中で五十音図が作られたと考えられています。

 五十音図が広まるきっかけとなったのは、言葉の説明がしやすいことでした。江戸時代に入ると、国語辞書が発展し、言葉の意味をより詳細に説明する必要が生じました。この時代には既に悉曇学の知識があり、五十音順で言葉を整理することが試みられました。五十音順での整理は、言葉の理解を深める上で非常に効果的であることが証明され、分かりやすい説明のために五十音図が活用されるようになりました。

 五十音図の成立は、日本語の音響を理解し、表現する上で重要な役割を果たしました。また、学校教育の中で正式に認められるようになった明治時代以降は、五十音図が日本語教育の基礎となり、現代に至るまで日本人の言語生活に深く根付いています。五十音図の存在は、日本語の美しさと複雑さを体系的に理解するための貴重な道具であり続けています。

記念日とかいろいろ