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4月12日 パンの記念日

パンの記念日

 4月12日はパンの記念日。1842年(天保13年)4月12日に、砲術の研究家・江川太郎左衛門が伊豆韮山の自宅の庭で日本で初めてパンのようなものを焼いたことを記念して、パン食普及協議会が1983年3月に制定した。

 ちなみに日本で最初にパンを一般に売り出したのは、東京都芝の「木村屋」と下谷の「文明軒」で、どちらも1872年(明治5年)に開店したと言われている。

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 パンの日本への伝来は、安土桃山時代にポルトガル宣教師と共に始まりました。最初に日本でパンを焼いたのは江戸時代末期の江川英龍とされ、兵糧としての有用性に着目し、パン製造を開始しました。明治時代に入ると、文明開化の波に乗り、パンが本格的に日本に紹介されましたが、初期には米食中心の日本人には受け入れられにくいものでした。しかし、木村屋總本店によるあんパンの発明、欧米諸国との貿易開始によるパンの普及、軍用パン製造の盛んな時期を経て、パン業界は成長しました。

 戦後、学校給食を通じてアメリカからの援助物資である小麦粉を使用したパン給食が始まり、パンの大量流通のきっかけとなりました。特に西日本ではパン食の割合が高く、近年ではパンの生産量は横ばいが続いていますが、コメの消費量減少に伴い、相対的にパンの比重が増加しています。2011年度には1世帯当たりのパンの購入金額がコメを上回るなど、日本におけるパンの位置づけは大きく変化しています。

 パンは、日本における食文化の多様化を象徴する食品の一つとして、その歴史を刻んできました。その伝統と革新が織りなすパンの世界は、今後も日本人の食卓に欠かせない存在であり続けるでしょう。

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