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2月10日 封筒の日

封筒

 2月10日は封筒の日。アナログ的なコミュニケーションである封筒文化、手紙文化の良さを改めて多くの人に知ってもらうために、各種の封筒や紙製品全般、パッケージ、手提げ袋などの製造販売を手がける株式会社ムトウユニパックが制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(2)(10)」の語呂合わせから、2月10日とした。

封筒の豆知識

 封筒が使われ出したのは16~17世紀頃のヨーロッパであるといわれている。日本では、奈良時代頃から文字の書かれた紙を懸紙(かけがみ)という白い紙で包む習慣があったが、封筒が普及しだしたのは江戸時代後期とされている。

 現在日本ではJIS規格によって、縦の長さが横の倍以上ある縦長の「長形(なががた)封筒」、長形よりも横の幅が広い縦長の「角形(かくがた)封筒」、横形で寸法が長い方に封入口がある「洋形(ようがた)封筒」の3種類に大きく分けられている。

 ちなみに数え方は、中に何も入っていなければ「枚」、入っていれば「封」が単位になる。

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 封筒は、文書や手紙を保護し、受け取り手に届けるための手段として長い歴史を持っています。最古の封筒として知られるのは、紀元前2000年頃の古代バビロニアに存在した粘土製の封筒です。この粘土製の封筒は、単に保護のためだけでなく、文書の真正性や未読の証明としての役割も果たしていました。

 古代バビロニアの人々は、板状の物体に文字を刻んで情報を伝える文化を持っていました。しかし、その情報が変更されたり、他人によって読まれることを避けるため、湿った粘土をその板状の物体に巻きつけ、特定の文様を施した後、焼いて硬化させる方法が考案されました。この方法により、文書が未読であり、改竄されていないことを保証することができました。

 この古代の封筒は、紙が発明される前の重要なコミュニケーションツールとしての役割を果たしていました。それは、ただの保護手段としてだけでなく、文書の真正性や重要性を示すためのものとしても利用されていました。さらに、法的な文書や契約書など、重要性が高く、保存が必要なものに対しても、この粘土製の封筒が使用されていました。

 一方、日本における文書の保護や保存の文化は異なる形を取っていました。平安時代には、貴族や公家の間で、文書や書物を保護するための木製の箱、通称「文箱」が使用されていたと言われています。また、個人的な手紙を送る際には、紙を外側で覆う方法や、木の枝に結びつけて送る方法が一般的でした。

 現代の封筒の形としては、イギリスでの郵便制度の改革が大きな影響を持っています。イギリスのRowland Hillによって、均一料金郵便制度が導入され、その後、世界各国で取り入れられることとなりました。現代の封筒は、文書や手紙を保護するだけでなく、郵便制度においても重要な役割を果たしています。

 歴史を通じて、封筒は人々のコミュニケーションや情報伝達の手段として進化してきました。それは、単に物理的な保護だけでなく、情報の真正性や信頼性を示すための重要なツールとしての役割も持っていたのです。