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2月6日 抹茶の日

抹茶の日

 2月6日は抹茶の日愛知県西尾市茶業振興協議会が制定した。

 日付は、茶の湯の道具である「風炉(ふろ)から、2月6日とした。

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 抹茶は、日本の伝統的な緑茶の一種で、碾茶(てんちゃ)を粉末にしたものを指します。湯を加えて撹拌した飲料として、特に茶道で飲用されるほか、和菓子や洋菓子、料理の素材としても広く用いられています。日本茶業中央会の定義により、茶臼で挽くことが一般的ですが、粉砕機で挽いたものも抹茶と認められています。

歴史と文化的背景

 抹茶の起源は中国にさかのぼり、元々は唐代から宋代にかけて発展しました。中国の陸羽が著した『茶経』に記された固形茶を粉末にした団茶法が始まりで、10世紀頃に抹茶(中国では点茶法と呼ぶ)の発生が考えられています。その後、明代に団茶の製造禁止が発令され、中国では抹茶が廃れました。日本には平安時代初期に伝えられ、鎌倉時代に抹茶法が伝わったとされます。特に日本の臨済宗の開祖である栄西が茶種と作法を持ち帰り、日本に広めたとされる説が有名です。

製造工程

 抹茶の原料となる碾茶は、茶の樹から摘採した生葉を蒸して乾燥させたもので、「碾茶の荒茶」と呼ばれます。細かくして茎や葉脈の部分を丁寧に選り分け、柔らかく味の良い葉肉部分だけを「仕立碾茶」として残します。この仕立碾茶を石臼で挽くと抹茶になります。この製造工程は非常に手間と時間がかかるため、抹茶は高級な茶とされています。

効用と利用

 抹茶には、美味しさだけでなく、健康に対する多岐にわたる効用があります。その中でも、抗酸化作用、心の健康、代謝の促進などが科学的にも認められており、健康維持に役立つとされています。茶道の一環としての精神性や、料理やスイーツの素材としての多面的な利用が、その人気を広げています。

 抹茶は日本の伝統文化と深く結びついており、その美しい緑色と独特の香り、深い味わいが多くの人々に愛されています。その製造過程から歴史、文化的背景に至るまで、抹茶は日本の心を象徴するものと言えるでしょう。