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4月10日 酒盗の日

 4月10日は酒盗(しゅとう)の日。日本で古くから親しまれてきた発酵食品の伝統の味を今に伝えたいとの願いから、酒盗の販売・製造を手掛ける株式会社しいの食品が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(4)(10)」の語呂合わせから、4月10日とした。

酒盗とは

酒盗の日

 カツオやマグロなどの内臓で作った塩辛。半年から1年ほど漬け込んで発酵させたもので、これを肴に酒を飲むと「盗まれるように酒がなくなっていく」ほど酒がすすむことからこの名前が付いたと言われている。

 昔はお酒のつまみとしてよく食べられていたが、最近は料理の隠し味としてよく使われている。

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 酒盗(しゅとう)は、日本の伝統的な発酵食品であり、特にカツオやマグロの貴重な部位を使用して作られる塩辛です。約300年の歴史を持ち、その名前は「お酒がどんどん進む、酒を盗みたいほど箸が進む」ということから名付けられたと伝えられています。土佐藩第12代藩主、山内豊資によって名付けられたというエピソードも残されており、長い間、お酒の肴として日本人に親しまれてきました。

 酒盗の製造過程では、希少な魚のワタを塩蔵し、長期にわたって熟成させることで、独特の風味と深い旨みが生まれます。この熟成プロセスによって、酒盗は和食の世界において「和製アンチョビ」としての地位を確立しました。その濃厚な味わいは、単にお酒のおつまみとしてだけでなく、様々な料理の味付けに使用され、料理の可能性を広げています。

 酒盗はそのユニークな風味を活かして、クリームチーズにのせた簡単なおつまみや、酒盗ピザといった創造的な料理から、オリーブオイルやバターに混ぜ合わせたソースとして、日常の料理を格上げする使い方もされています。このように多用途に渡って使用できる酒盗は、食卓に豊かな風味と楽しさをもたらす素材として、現代でも多くの人々に愛され続けています。

 酒盗は、日本独自の発酵文化の粋を集めた食品であり、その歴史や製法、使用される魚介類の種類の多様性は、日本の食文化の豊かさを物語っています。今日でも、その伝統を受け継ぎながら、新しい味わいや料理法を追求する人々によって、酒盗の魅力はさらに広がりを見せています。酒盗は、日本の食文化を代表する発酵食品として、今後も多くの人々の興味と好奇心を刺激し続けるでしょう。

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