カレンダーをめくってみれば
~今日は何の日?~

5月3日 わらべうた・子守唄の日

 5月3日はわらべうた・子守唄の日。日本の伝統や音楽文化に密接にかかわる「わらべうた・子守唄」という文化遺産を生活に根付かせる象徴的な日となるようにと、東京都多摩市に本部を置く全国わらべうたの会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、子どもの幸せを願う日である「こどもの日」が記念日としてふさわしいとの考えから、5月3日とした。

◆◆◆

 わらべうたと子守唄は、子どもたちの生活や心情を豊かに彩る伝統的な歌です。わらべうたは、子どもたちが遊びながら歌う、古くから伝えられ、世代を超えて歌い継がれてきた歌であり、伝承童謡や自然童謡とも呼ばれます。一方、子守唄は子どもを寝かしつけたり、あやしたりするために歌われる歌で、世界各国にその形態を持ち、多様な文化背景を反映しています。これらの歌は、親から子へと愛情を伝える手段であり、子どもたちの心の安らぎをもたらす重要な役割を担っています。

 わらべうたは、民謡の一種と捉えられることもあり、地域ごとに異なるバリエーションを持ちます。これらは、季節の変わり目、自然現象、日常生活の様子など、子どもたちの身近なテーマを扱い、歌い手の創意工夫を加えながら受け継がれてきました。また、子守唄に関しては、ゆっくりとしたリズムで、子どもを安心させ、眠りに誘うための歌として長い歴史を持ちます。「ねんねんころりよ」で始まる「江戸子守唄」など、日本には古くから愛唱されてきた子守唄が数多く存在します。

 クラシック音楽においても子守唄は重要なテーマの一つであり、モーツァルトやシューベルト、ブラームス、ゴダールなど、多くの作曲家が子守唄を作曲しています。これらの楽曲は、ピアノ曲や器楽曲としても広く親しまれ、子どもだけでなく大人にも愛されています。

 わらべうたや子守唄には、単なる遊びや慰めだけでなく、親や子守りが自身の思いや願い、時には社会への批判や皮肉を込めたものもあります。これらは、歌い手の心情や文化的背景を反映し、時代を超えて人々の心に響く普遍的なメッセージを持ちます。わらべうたや子守唄を通じて、子どもたちは感性や情緒を育み、人間関係の基礎を学びます。また、大人にとっても、これらの歌は忘れがたい記憶や感情を呼び起こす、かけがえのない文化遺産であると言えるでしょう。

記念日とかいろいろ

音楽の記念日