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~今日は何の日?~

7月7日 ゆかたの日

ゆかたの日

 7月7日はゆかたの日。浴衣のPRのために、日本ゆかた連合会が1982年に制定した。

 日付は、昔の中国では七夕の日に衣服を縫って祖先の霊にお供えすることで裁縫技術の上達を願う習慣があったことから、7月7日とした。

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 浴衣は、日本の夏を代表する伝統的な和服の一種で、素肌の上に着用するリラックスできる衣服です。その起源は平安時代に遡り、貴族が蒸し風呂に入る際にやけどを防ぐために着用した「湯帷子(ゆかたびら)」に始まります。当初は麻素材が主流でしたが、やがて木綿素材が普及し、湯上りや寝間着としての利用が一般化しました。

 江戸時代には銭湯文化の普及と共に、浴衣は庶民にも広く浸透し、外出着としての役割を果たすようになりました。特に盆踊りや花見などのイベントでは、浴衣が一般的な装いとなり、その文化が花開きました。この時期、浴衣は汗取りや裸体を隠す目的で用いられるとともに、下着から外出着へとその用途を変化させていきました。

 浴衣が現代において夏の定番ファッションとして定着したのは、注染と呼ばれる染色技術の発展が大きく影響しています。注染によって生み出される独特の風合いや色のにじみは、浴衣特有の魅力を形成しています。また、白地や紺地の浴衣は、それぞれ昼用と夕方から夜にかけての用途に応じて着分けられ、日本の暑い夏を快適に過ごすための工夫が施されています。

 現代においては、浴衣は夏祭りや花火大会などのイベントだけでなく、日常的なファッションとしても楽しまれています。浴衣を着ることによって、日本の伝統文化を身近に感じることができるとともに、特別な夏の思い出を作ることができます。しかし、着物を着る人が減少する中で、浴衣を所有し、着用する機会も減少傾向にあります。そのため、NPO法人日本ゆかた文化協会などが浴衣文化の普及と継承に努めています。

 浴衣には日本の夏を涼しく快適に過ごすための叡智が込められており、今もなお多くの人々に愛されている伝統的な衣服です。そのシンプルでありながらも豊かなデザインは、日本の美意識を象徴するものと言えるでしょう。

記念日とかいろいろ

衣服の記念日