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~今日は何の日?~

10月2日 ALDの日

 10月2日はALDの日。特定疾患に指定された遺伝性の難病「ALD」についてより多くの人に知ってもらうために、ALDの未来を考える会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、ALD研究の第一人者であった五十嵐正紘医師が1976年に世界で初めてALD患者の脳、副腎に飽和極長鎖脂肪酸が蓄積していることを発見し、この研究が最初に医学誌に受理された日から、10月2日とした。

ALDとは

 Adrenoleukodystrophyの略で、日本語では「副腎白質ジストロフィー」という。主に男性に発症する病気で、進行速度には個人差があるが、学力の低下や視力、言語、歩行に障害を発症し、進行が早ければ発症から1年以内に死亡することもある難病。

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 ALD(副腎白質ジストロフィー)は、遺伝性の神経変性疾患であり、特に男性に影響を及ぼすことが一般的です。この病気は、脳内の白質と副腎に影響を与えるため、進行すると深刻な身体的および認知的障害を引き起こす可能性があります。

 ALDは、特定の長鎖脂肪酸を分解する過程に障害があるため発生します。正常な場合、体内の過剰な長鎖脂肪酸は特定の酵素によって分解されますが、ALDの患者ではこの酵素の活性が低下するか欠如しているため、これらの脂肪酸が細胞内に蓄積します。その結果、脳の白質が損傷し、神経細胞が正常に機能しなくなることが原因で、多くの神経症状が現れます。

 ALDの診断は、血液検査を通じて長鎖脂肪酸のレベルを測定することで行われます。また、MRIなどの画像診断技術を用いて脳内の変化を観察することもあります。治療方法としては、骨髄移植が一定の効果を示しており、進行を遅らせることができることが知られています。しかし、治療は病状の進行を遅らせることができても、完全に治療することは現在のところ不可能です。

 初期症状としては、行動の変化、集中力の低下、記憶力の障害、視力や言語の問題が見られます。特に小児期に発症した場合、学業成績の急激な低下や性格の変化などが目立つことがあります。成人においては、歩行障害や認知症状、副腎機能不全などが現れることがあります。

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