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6月1日 いぐさの日

いぐさの日
引用元:農林水産省

 6月1日はいぐさの日。湿気をよく吸い、消臭効果があり、空気を綺麗にするなど、い草は住環境にも良いことから6月の「環境月間」に貢献するために、い草を使ったインテリア製品の製造と販売を手がける福岡県三潴郡大木町の株式会社イケヒコ・コーポレーションが制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、年間で最も湿度が高い6月上旬で、夏物の衣替えの時期でもあることから、6月1日とした。

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 い草(イグサ、学名:Juncus decipiens)は、イグサ科に属する植物で、その耐久性と美しい色合いから日本の伝統的な畳の素材として長く愛されています。この植物は、環境に優しく、空気浄化や保湿・断熱、調湿効果、抗菌効果など、私たちの健康や快適な生活環境に寄与する多くの利点を持っています。

 い草の生産プロセスは、非常に手間暇がかかるもので、主に熊本県で行われています。苗の植付けから、水田苗床での育成、本田への移植、刈り取り、そして泥染めという一連の工程を経て、最終的に畳表に織り上げられます。泥染めはい草に独特の色や香り、光沢を与えるだけでなく、表面を均一にコーティングし乾燥させる働きもあります。この伝統的な技法は、い草の自然な美しさを最大限に引き出します。

 い草は、そのスポンジ構造によって空気中の有害物質を吸着し、保温・断熱性を提供することができます。これは、夏は涼しく、冬は暖かいという、一年中快適な居住環境を実現するのに役立ちます。また、その調湿効果により、高温多湿な日本の夏でも、い草の上に横になると非常に心地よいです。

 抗菌効果に関しては、い草は白癬菌や大腸菌O157など、人の健康を害する可能性のある微生物に対しても、自然な抗菌性を持つとされています。これは、日常生活において、より安全な環境を提供する上で大きなメリットです。

 さらに、い草の香りにはリラックス効果や睡眠効率の向上が期待できることが研究により示されています。この自然な香りは、ストレスが多い現代社会において、精神的な安らぎや心地よい睡眠を促す貴重な資源となっています。

 以上のように、い草はその多面的な利点により、日本の伝統文化だけでなく、現代の持続可能な生活様式にも貢献しています。い草製品を選ぶことは、健康や環境への配慮はもちろん、日本の伝統的な技術や文化を支持することにも繋がります。私たちの生活に深く根ざした、この美しい自然素材に改めて注目し、その価値を再発見する機会を持つことは、とても意義深いことだと感じます。

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