カレンダーをめくってみれば
～今日は何の日？～

◆◆◆

　黒伊佐錦は、鹿児島県を代表する本格焼酎ブランドであり、特に黒麹を使用した製造方法により知られています。この焼酎は昭和62年（1987年）3月15日に誕生し、以来、そのまろやかな口当たりと深いコクで多くの焼酎愛好家から高い評価を受けています。

　黒伊佐錦の特徴は、伝統的な黒麹の使用にあります。黒麹は元々泡盛の醸造に使われていたもので、クエン酸発酵を活発に行うことから、もろみを強い酸性に保ち、発酵中の雑菌の繁殖を防ぐ効果があります。この特性が、黒伊佐錦の味わいを独特なものにしています。また、黒麹は生澱粉を効率的に糖化する能力を持つため、醸造歩止まりが良好で、生産性の向上にも寄与しています。

　かつて、黒麹の取り扱いには技術的な困難が伴いました。温度管理が難しく、胞子が飛散しやすいため、作業環境を汚染することも少なくありませんでした。しかし、技術の進歩によりこれらの問題が克服され、現在では安定した品質の黒麹を用いた焼酎を製造することが可能になっています。

　黒伊佐錦はその豊かな香りと味わいから、お湯割り、水割り、ロックといった様々な飲み方で楽しむことができます。また、和食だけでなく洋食や中華とも相性が良く、食事を一層引き立てる飲料としてもおすすめです。

　現在、消費者の嗜好の多様化に伴い、黒麹を用いた焼酎に再び注目が集まっています。その中でも黒伊佐錦は、伝統的な製法と革新的な技術の融合により、新たな魅力を引き出し続けています。これからも多くの方に愛されるブランドとして、その歩みを進めていくことでしょう。