カレンダーをめくってみれば
～今日は何の日？～

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　八天堂は、昭和8年（1933年）に森光香によって広島県三原市で創業された和菓子屋から始まりました。この店は、大恐慌の影響で苦しむ人々に少しでも幸せを提供したいという思いから、「甘くておいしい和菓子」を通じて地域社会に貢献することを目指して開かれました。創業時の店名「八天堂」は、地元のお堂「八天堂」にちなんで名付けられ、地域に根ざした愛される店を目指す初代の願いが込められています。

　二代目森光義文が引き継いだ昭和40年代には、戦後復興が進み日本が高度成長期に突入する中で、八天堂は洋菓子の取り扱いを開始しました。この時期の日本は大きく変化しており、八天堂もまた新たなステップを踏み出すこととなります。

　三代目森光孝雅のもとで、八天堂はさらに進化を遂げます。孝雅は神戸のフロインドリーブでドイツパンの製法を学んだ後、広島県内でパン屋としての八天堂を10店舗まで拡大しました。しかし、次第に商売の本質を見失いつつあることに気づき、商品点数を絞り込み、質にこだわる方向へとシフトしました。この過程で、八天堂の象徴とも言える「くりーむパン」が誕生し、大きな評価を受けることとなります。

　現在の八天堂は、おいしいだけでなく、安心・安全な商品を提供することを使命とし、一つ一つの商品に心を込めています。孝雅は、八天堂の商品が顧客にとってただの食品でなく、「おいしい」と感じる瞬間、「うれしい」と感じる体験を提供することを目指しています。

　八天堂は2023年に90周年を迎え、広島から東京、そして全国へと拡大してきました。100年先も目指し、食のイノベーションを通じて「おいしい」の先を追求し続けています。八天堂は、創業者の地元への深い敬愛と、顧客からの信頼に支えられながら、日本のみならず世界に向けてその歩みを進めているのです。